今回の物語はとあるシェフの話です。
バツイチの一流シェフがオーナーとソリが合わなくなり、やがて仕事をやめて、自由な道を見つける……というある種王道的な物語ですね。
料理が主役かと言われたらどちらかというとサブテーマとまでは言いませんがメインテーマかと言われると微妙かもしれません。というのも、料理に関してはこのシェフは1流であり、実力は誰もが認めているといってもよいでしょう。つまり、何かしらの変化みたいなものはあまりないということですね。一応料理について試行錯誤などは繰り返りするシーンはあるのですが、それは彼の楽しみであり、挫折や成功とはそこまで深くは結びついていません。
では、「メインテーマの一つは?」と言われたら……まあ、上の予告見たらわかると思うのであっさり言ってしまいます。
SNSです。
ツイッター等のSNS、やはり利用者は多いと思いますが、ほとんどの人は娯楽、あるいは承認欲求を満たすために使っている方が多いみたいです。
単純に面白いから、とか人に称賛、いわゆるいいね(👍)が欲しいという目的とも言いかえられます。
最もそのせいでいじめ問題やバイトテロ問題に繋がったりと悪い部分が目立ちます。
以前闇の部分を中心にした映画の紹介もしましたね。見てない方はこちらをどうぞ。
では、今回もそんな闇部分を強調した映画なのかと言われたらそうとも言えますが、それだけではありません。SNSで終わり、SNSで始まる物語といってもよいでしょう。(順番を別に間違えてないですよ?)
最も、一番大きなテーマは?と聞かれたらこうですね。
人生
あらすじ
レストランに務める料理長、カールは慕ってくれる部下や、料理ができる環境に満足しながらも、どこか満たされない気持ちを抱えていました。彼は料理を常に探求し続け、新しい創作料理を考え続けます。
しかし、オーナーは「自分のメニュー以外は作るな」と立場を利用して彼に命令し続けます。渋々命令に従うも、SNSでとある料理評論家に酷評されてしまいます。そして、SNSで評論家の悪口を言いつつ反論し、(※先に言っておきますが真似してはいけません)今度こそは自分の創作料理で納得させてやろうと意気込むものの、やはりオーナーの意見は変わりません。そしてメニュー通りに作った料理は案の定けちょんけちょん否定されまくり、怒り心頭のカールは怒鳴り散らし、そして、その様子もSNSに取られてしまいました。
もはや、恥をさらしつくし、ろくに料理もできないと落ち込む彼でしたが、とある言葉、そして色んな人達の協力によってフードトラックを目指し始めます。車の管理や、ルートの把握、今までやったこともなかったことを位置から始めました。
戸惑いながらも、やりたかったことを自分自身で、そして多くの助けを借りて、実現していくのです。
家族と仕事とそして、人生
ちょっとしたあらすじが長くなってしまいましたが、ここから本当の物語の始まりと言えます。とはいえもう少し、あらすじについてお話します。
社会的立場も十分に恵まれ、好きなことを仕事にしている、というのは理想の生き方と言えるでしょう。あまり好きではない言葉ですが、「勝ち組」というものですね。
しかし、本当にやりたかったこととやりたい職業というのは一致しないようで、彼はもっと創作料理を作りたかったのですが、絶対的権力者であるオーナーにより、やりたいことができず、自分の誇りも押し殺し、そして別れたとはいえ今も愛情の深い我が子との関係もうまくとれずにいました。
そして、様々な形で爆発し、職業も名誉も失いますが、先も述べたとおり、ここから彼の人生が始まっていきます。
「No pain No gain」
「苦痛なくして成功なし」
カールは様々なものを失った思い込み苦しんでいました。しかし、失ったように見えて、本当は彼は何も持っていなかったのかもしれません。そしてもしかしたら、そういった思い込みをしてしまうのは、彼だけではないかもしれません。
彼にとって、そして私達にとって本当に欲しいものは一体なんでしょうか?
SNSの力
よく悪くもSNSは道具であり、それこそ、料理人でいえば、包丁のように凶器にも武器にもなります。
……なんかどっちも駄目な言い方になっちゃいました。
私が学生時代だったときは、SNSは不用意に恐ろしさばかりを訴え、人を傷つける道具として扱うからどちらかというと敬遠するように誘導されていました。しかし、自分に自信のあるものを誰かに届けたい、そして、思いが個人と個人をつないで大きな力を生み出す力にもなり、発信した一人、そして受け取った一人を救うこともあるのです。
カールは最初にSNSの恐ろしさ、というよりそもそも仕組みを理解せず、大失敗をして、以後、よほどこりたのか、SNSに触ろうとはしていません。しかし、やがてSNSがカールが新しく始めたフードトラックの大きな助けになっていきます。
何かと一人で何でもやらなきゃいけないみたいな風潮がありますが、得意なことは得意な人に任せるのも立派な才能です。特に最新機器は若い人のほうが強いことが多いので、うまく頼れれば想像以上の力になります。
先に上げた特徴の他に、とてもわかりやすくSNSの光と闇の部分を映画と言えるでしょう。
総評
シェフというある種、誰もが凄さがわかるシンプルな能力、そして大きく変わる人生というシンプルなテーマながら色々と学べる映画です。
親子間の微笑ましさ、仕事の世知辛さ、自由の目指し方、とネガティブから一気にポジティブになれる映画です。
あまり触れてきませんでしたが、おいしそうな料理もたくさん出てきますし見ててとても楽しいです。まあ、夜中とかに見るのはあまりお薦めはいたしません。
太っても責任は取れませんので。
家族、仕事、旅、触れ合い、食事、そしてSNSの可能性……。一人で観て、人生に憧れるもよし、家族で見てもう一度理想の家庭を考え直すもよし、年代を分けずオススメできる映画と言えるでしょう。
要点へのヒント
①「今回の物語にピッタリあう日本のことわざが2つあります。そして頭文字にはどちらも後がつきますが、当ててみてください。
ヒントは後○○○○○○、それからもう一つは、後○○○○○です。一つは簡単だと思いますのでもう一つを探してみてください。
もう一つヒントを出すなら、一つは父親への言葉、もう一つは息子へのことわざです。
②彼が失い、彼が手に入れたものを可能な限り考えてみてください。彼が手にしたものがプラスになったかマイナスになったかが、多分あなたの価値観の一つになると思います。
余談
何を隠そう私もこの道具をフルに使ってブログを盛り上げていこうと決めました。はっきり言って恐怖8割、好奇心2割ですが、彼もこんな気持だったのかもしれませんね。
twitter開設します!!
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