フィクションですよ?あくまでカエルのお話ですよ? カエルの楽園 著 百田尚樹

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その他

オススメできる人

  • 平和の闇を知りたい人
  • 想像力が豊かで、物事を別のなにかに落とし込める人
  • 綺麗事が嫌いな人

※注意事項

当ブログは特定社会関係、特に政治、宗教、その他に批判をあげるためのものではなく、あくまでネガティブを活用、もしくは抑制するためのブログということを念頭に置いてください。

以前紹介した、「幸福な生活」は覚えていらっしゃるでしょうか?記事の最後で同じ作者様で究極的にネガティブな話をすると記事に書きました。

そして、今回のお話なんですが……。

えーと、なんでしょうね?

なんで、ネガティブかっていうと……。見たことあるんですよね。同じような光景を。

ただ、私が見た光景よりはるかに……いえ、これ以上は言えませんが、もし読むなら覚悟しておいてください。

あなたの信じている人ってなんでしょうか?

あなたの信じている考えってなんでしょうか?

あなたの信じている教えってなんでしょうか?

あなたは、あなたを信じてますか?

本当に、あなたはあなたを信じていますか?

あなたを通じて別の誰かを信じていませんか?

失礼しました。ちょっとホラーっぽいですね。こちらのカエルの画像を見て癒やしてください

この本を読み終わった後に癒やしになるかはわかりませんが。

あらすじ

自身の国が災厄に襲われ、旅に出たカエルのソクラテス(※有名な哲学者から名前は取られてますね)とその仲間たちがいました。いろいろな場所や国を巡っていきます。不幸にも天敵に襲われ命を落とす者、ひどいような国でも、現状よりマシだと住むことを決めるもの、いつかは理想の国が見つかるはずだと旅を続ける者と別れていきます。

そして、ある時、ソクラテスとその相棒のロベルトは一つの国へたどり着きます。

楽園とも呼べるべき場所は水も食料を豊富にあり、蛙たちもとても幸せそうに暮らしていました。この幸せは、とある”歌”ととある”約束”そしてとある”考え”のおかげと多くの蛙たちは信じており、その教えを守ることこそが全てに置いて大事だと信じていました。

ロベルトは感動し、彼らの考えに染まっていく一方、ソクラテスは疑問に思っていました。

自分たちが旅をしてきたときでもその教えは通じたのだろうか。

何故、この国ではその教えが価値を持つのだろうか。

今後もその考えで、大丈夫なのだろうか?

名前が表すように思慮深く考えるソクラテスは、変わっていく楽園の様子を見ながらも、ゆっくりと答えを探していきます。

平和って何?暴力って何?

すぐそばにある不穏の陰を感じつつ、暮らす人々。

ソクラテスはどうしてもつながらない真実に迷いつつ、特に見守るしかできないことを悩み続けます。

そして、何度も平和守るために暴力をするなという話が出てきます。それだけなら普通の話なのですが、例え相手にどのようなことをされても、何があっても許されることではないという主張が通っていきます。

暴力というのがそもそもなんなのかがわからなくなってきます。誰かを守る行動さえ暴力なのか、自分を守る行動すら暴力なのか。殴られても耐えるのが平和なのか。誰が傷ついてもただ慰めるだけで終わるのが平和なのか。

話を勧めていくとどんどん考えが深まっていきます。

さらに、ソクラテスの相棒であるロベルトも楽園の考えに染まっていきますが、彼はそれでも考え続けます。最も他国からの来訪者であるソクラテスは見守ることしかできません。

といっても、仮に何かを言ったとしても部外者である彼の言葉に誰が耳を傾けるでしょうか。

あくまでも見守るしかできないのです。

客観的に見た楽園

名前、国の状況、善良で思慮浅いカエル、そして、昔ばなしと今につながる話などなどカエルの世界では出てきます。

どれを取ってもどこかで見覚えがあります。主人公のカエルのソクラテスは「無知の知」で有名な哲学者から取られていますが、まさしく、このカエルは無知です。

しかし、だからこそ、全てに疑問を感じ、先入観なく物事を見ることができ、周りに流されることなく、ただ事実と因果を探り続けることができるのです。

あなたも賢いカエルのように本の世界を見通してみてください。どこかおかしいと思いますか?それとも、どこか親しみを感じますか?

完全に客観的な目というのは恐ろしくもあり、何よりも強いものでもあります。

カエルという人間から遠く離れた存在だからこそ、客観的に見てみてください。そこに何かを感じることができますか?

カエルが見たものをあなたも同じように見ることができますか?

現実は想像より遥かに……

タイトルをつけてみてなんですが、遥かに……の続き、なんでしょうね。正直わかりません。

この本で読んでみて余計わからなくなりました。

遥かに良いのか、遥かに悪いのか。

実はどちらとも取れます。そして、未来にどちらにもなる可能性もあります。

そして過去に思い返した後にどちらが良かったか変わる可能性もあります。

ただ残念なことがあります。

それは人によって異なるということです。

読んでみたらこの意味がわかるかもしれませんし、わからないかもしれません。

ただ、一番言いたかったことの一つでもあります。

総評

読み終わった方々へ。

どこかで見たことあるようなお話でした?

少なくとも究極的なネガティブ感は感じられたと思われます。

読んで一つだけ言えることがあります。

私は無抵抗主義は嫌いです。もっというなら性善説は大嫌いです。私ももともといじめられて生きていましたが、無抵抗で相手が罪悪心を抱いて叩くのをやめるかどうかはケースバイケースです(はっきり言ってやめる可能性のほうが遥かに低いと思いますが)

常に戦いを挑むのはもちろん愚かですが、戦いを避けるやり方を考え続けずにただ、思考停止して耐えるだけなのはもっと愚かなことです。

善を信じることと善を期待をすることは違います。

善を信じるのはやるだけやった後、信じること、善に期待するのは最初からただひたすら他人をあてにすることです。

どちらもポジティブな意味かもしれませんが、同じくらいネガティブな可能性も秘めています。

それでも善を信じたい、期待したいという方もいらっしゃるでしょう。もちろん止めはしません。ただ一つだけ言います。

もし、それでどれだけ辛い目にあっても後悔しませんか?

この物語の全てを信じる必要はありませんが、自分の信じるものの最悪な事態を想定しておくこと。それは究極なネガティブであり、人の才能でもあるとこの本を読んで思いました。

余談

ところでこの本の最後には、わざわざ、

「この物語はフィクションです。実在の人物、団体等とは一切関係ありません」

と書いてあります。

なんででしょうね。カエルの話なんですから見ればわかるのに。

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