おすすめの方
- 死にたいと思っている方
- あるいは身近にそんな方がいる方
- 周りに相談できる人がいない方
読めば、きっとあなたの「死にたい」という気持ちの重みを減らすことができます。
ネガティブ・トレジャー
「死にたい」と思ったって良いんです。そこまで思わなければわからないことがあり、そしてわからないことがわかることもあります。
最初に
「死にたい、消えたい」
そんな気持ちを持つ方は少数派なのか、めったにいないとか、私にはわかりません。
私も鬱と障害を抱えているので、何度も「死にたい」と思ったことがあり、またそういった気持を抱いた人の話や本、物語、映画をいくつも見たことがあります。少なくとも誰もが一度は思ったことがあり、そしてそういった感情が消えないという方も少なくないでしょう。
しかし、このようなことを口にすれば、異端とみなされ、距離をとられ、あるいは「甘え」と罵られるといった理由から口にできないことは多いです。私もやはりどれだけ仲が良い関係の友達であっても言いませんし、他の人にはおすすめしません。
では、このような気持ちは思ってはいけないのでしょうか?
もしそう言われたら私だったらシンプルにこう言います。
「無理」
「死にたい」と思いたくて思っているわけじゃありません。消せるものなら消してしまいたい。でもどれだけ頑張っても成し遂げられることがないことがあるように、どれだけ頑張っても心から消えないものもあります。
そんな「死にたい」気持ちを抱えていて、そしてどうしても、どれだけ頑張っても、あるいは頑張る気力すら失ってしまった人々へこの本を紹介いたします。
正直、「死にたい」という気持ちが宝物と言い切ってしまうか悩みました。しかし、あえて言い切ります。その強いネガティブが誰かを救うこともあるのです。
どんな本?
「死にたい」と思ったことがある人、あるいは「死にたい」と思っている人を見続けた人々からそれぞれ「死にたい」と思っているあなたへメッセージを送ります。
「生きろ」とか「死ぬな」とかましてや「甘え」なんていう言葉は一切ありません。かといって死を推奨するような本でもありません。
あなたの「死にたい」気持ちを様々な形で肯定し、そしてあなた自身にどう答えを見つけていくかの手助けをする本です。
もちろん、必ずしも答えが見つかるかもしれませんし、かえって反論したくなる意見もあるでしょう。もしかしたらすべての意見に反論したくなるかもしれません。ただ、それでも良いのです。
その理由は後述いたします。
おすすめポイント
「死にたい」気持ちは否定されません
先にも上げましたが、この本は無理にあなたの「死にたい」という気持ちを否定するものではありません。
「死にたい」ということは悪と断じられやすいですが、少なくとも当著作の中では、単純な判断はされません。そもそも、この本にたどり着くまでに「死にたい気持ち」を散々に否定されると思いますから、今更、「死にたい」と思ってはいけない理由など聞きたくもないと思います。ぜひ安心してください。
あなたも聞き飽きているような一般論、もしくは精神論などは一切見受けられませんでした。
ならどのような言葉が書かれているのでしょうか?
一言で言うのならば、あなたの「死にたい」という気持ちに全力で歩み寄ってくれます。
自分の経験だったり、他人の経験だったり、あるいは完全に想像して言っているだけだったりと様々な言葉があります。しかし、少なくとも、あなたが聞き飽きた言葉ではなく、あなたが共感したり、本当に望んでいることを見つけられたり、あるいは身近にいる「死にたい」と思っている人の本当の望みを理解するにきっかけになるでしょう。
色々な人の言葉、色々な人の「死にたい」
精神科、カウンセラー、漫画家や様々なジャンルのアーティストが「死にたい」と思ったときの話、あるいは「死にたい」と思っている人へのメッセージを送ります。
彼らがいかなる手段を用いて、「死にたい」という気持ちを抱くようになったのか、そして今、「死にたい」という気持ちと向き合うようになったのか、様々です。
非常に硬い文章から、やや軟派……(ようは少々チャラい)口調の方、さらには、漫画(しかもセリフのない)で「死にたい」を表現している方までいらっしゃいますが、いずれも「死にたい」に対して、どういう感情を抱いているか、そしてあなたの「死にたい」に対してのメッセージを送ります。
アドバイスというよりは、あなたに「どうしてほしい」か望みを語るような文調であり、強制力はありません。受け入れるか受け入れないかはあなたに任せるということでしょう。
そして、私からもこの本を読んで伝えたいことがあります。
あなたはあなた
様々な話を聞いていくと、ただ「死にたい」と思う人の中にも様々な人がいることがわかるでしょう。
さて、そろそろどうして反論したくなる意見があってもいいという答えを出しましょうか。
色々な話を聞いていて解決策を見つけたい、という方には残念かもしれませんが、必ず、「死にたい」という気持ちと折り合いをつけられたり、ましてや克服できるというわけではありません。
あなたがどんな理由で「死にたい」と思っているかはわかりませんから。そして当然ながら、あなたがどうすれば「死にたい」という気持ちを消せるかはわかりません。
でもたった一つ、この本を終わりまで読んで確信して言えることになります。
あなたがどんな気持ちや過程をもって「死にたい」と思ったとしても決して責められるものではありません。
厳密な理由なんてなくたっていいです。それこそ死ぬほど辛い経験だって必要ありません。ただあなたが今「死にたい」と思っているのならば、それは今あなたに必要だから思っているのであって誰に排除されるべきものでもありません。
いつかあなたにとって「死にたい」という気持ちがなくなったとしても、この本を読んで、様々な人の「死にたい」という気持ちに触れつつも、自分の「死にたい」と思った経験があれば、いつか、別の人の「死にたい」という人の気持を救うことになるかもしれないのです。そんな将来の宝物を否定するのはあまりにもったいないこと……と言うのは少し不謹慎ですが、あえてこの言葉を使わせていただきます。
「死にたい」という気持ちがどんなものだったとしても、あなたはあなたで良いと私は思っています。
注意点
くれぐれも、誰かを、特に自分を追い詰める理由にしないでください。
確かにこの本に出てくる方々は確かに重い過去や苦しい痛みを背負っていますが、その上にあなたの苦しみを上書きしないようにしてください。
冒頭でも述べられていますが、意見が合う合わないというのもありますので、合うと思った方の話だけ聞くのも良いでしょう。
先にも言いましたが、あなたはあなたなのですから。
最後に私が一番言いたいこと
ポジティブな方は「死にたい」と思うのはやはり想像ができないと思うので、ここまで追い詰められてしまった人々はやはりネガティブの力が必要なんだと思いました。
もちろん苦しい痛みを背負っていればすべての人が他人に優しくできるわけではありません。むしろ、苦しい過去を乗り越えた人は乗り越えられなかった人に冷たい感情を抱くこともあります。
この本を読んだ方はできればでもいいですから、同じ苦しみを持った人に歩み寄れる力を持ってほしいと思います。結局はそれがあなたのためでもあると思いますので。
そして何より私が言いたいことがあります。
著者の人たちと話すのは大変かもしれません。もっと言うのならば「死にたい」なんて言葉を言うのはかなりハードルが上がるでしょう。
しかし、著者のように「死にたい」気持ちが理解できる人たちが何より苦しいのは自分たちの言葉が届かず、あなたがただ「死にたい」という気持ちを抱えたまま苦し見続けることなのです。
つまりどういうことか。
あなたが心のなかに抱えている「死にたい」という叫びを聞けば救われる人もいるということです。
もちろん冒頭で言ったように大勢の方には敬遠されるかもしれませんが、少なくともここにいる著者の人々、そして彼らが紹介している機関、何より私もそうです。
思いっきりネガティブなことをぶちまけて、救われる誰かを救ってください。私がこの本とともに届けたい願いはこれ以上にありません。
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