オススメできる方
- 長い話を読むのが苦手な方
- どんでん返しが好きな方
- 幸せが潰れる瞬間が見たい方
さて、このブログにそぐわぬタイトル名から始まった今回のお話です。(なんとなく表紙で何が言いたいかわかってしまいそうですが)
もちろんネガティブを追い求めてる当ブログにおいておちなしやまなし平和的ほのぼのの物語は基本的に紹介しません。(個人的には嫌いでもないので紹介してほしいって声があったらするかもしれません)
では、このタイトルは一体どういう意味なのだろうか、ということですが、今回紹介するお話は短編集です。当ブログで短編集を紹介するのはおそらく初めてですね。
いろいろな幸せな生活や、満たされた生活、あるいはゆっくりとのんびりとした時間が流れるような物語を紹介していきます。
「ますます、このブログっぽくないじゃないか」
という声が聞こえてきそうですが、
実は一つだけ全ての話に共通する特徴があります。
何気なーくお話が続いていって最後に
ドーン!!
と擬音が響くような(※実際は響きませんし、どこかのセールスマンは関係ありません)インパクト絶大な1行を残して物語が終わります。
ぱっと読んだ感じただただ幸せだったり切なげだったり優しい感じで進んでいき、普通にこのまま終わってたら幸せだったのになーみたいな感じから突然突き落とされます。(まあちょっと主人公やその他の登場人物に闇があったりしますが)
最近、難しい本ばかり紹介した気がするので、こういった本で箸休めしましょう。(明るい気分になりたくて短いのが好きな方はまた別の本を紹介します)
とにかく気軽に読める。
短編ものの主な特徴の一つですが、この本も例外ではありません。
読んだ後にどういう気分になるかは人次第ですが、空いた時間にサクッと1話を読めます。(早い人で5分、遅い人でも10分あれば十分です。十分だけに)表現が軽く、ストーリーの進行が早いから、という理由は外せないでしょう。
とはいえ、あまりネガティブなものを外で読みたくなかったり、知っている人に暗い本を読んでいると知られたくないと思う方も多いかもしれませんので、どちらかというと寝る前、あるいは朝起きてすぐに読むのがおすすめです。
というより、1話1話が表現は軽いのにも関わらず、内容は重いものが多いので、少し読んだだけで胸焼けしそうなほどです。
そういった意味でも少しずつ読むのが好きな方に向いている本と言えますね。
推理物っぽく読める
最初の3話ぐらいはこの本がどういうものかわからず、先程言ったドーン!!の部分で驚くことになりますが、この状態が続くと自然に受け身を取っていくようになり、タイミングをいまかいまかと待ち構えるように読んでいくことになります。
おそらく中盤辺りまでになると「お!!このタイミングだ!」というのがわかって新しい楽しい方ができるでしょう。
また、叙述トリック的な一面もあり、先入観を持ってしまうと数ページ後に騙されたことに気づいたりします。全てに気づいた後、数ページ前を読み返したくなること必須です。
とはいえ、この方は専門の推理小説を書いている方ではないので、推理ジャンルに舌が肥えている方にはちょっと物足りなさを感じるかもしれません。
私はあまり推理小説に詳しくないので(前に紹介したこの本も割と受け身になりがちでした)推理小説気分に浸りつつ読むことができました。
後半からちょっと捻ってくる
強力なネガティブ本として、紹介しますが、後半になるとたまたまか、それとも著者が意識しているのかはわかりませんが、ちょっと捻ってなかなか落ちをわかりにくくしてきます。
恐ろしそうな秘密が実は……だったり、あれ?って思ってたらあ、しまった!!という部分を読み逃していたり……。
単純に落とすだけではなく、ひっかてきたりして、全く飽きさせません。
そういった意味では終盤になるほど難易度が上がっていきます。
今読んでいる話は受け身を取るべきか、取らないべきか、あるいは、純粋にこうなるのか、それとも……と疑心暗鬼になりつつ展開を先読みするのも楽しいです。
ただし、最後まで読まないと絶対にわからないようなものもありますので、悩み過ぎにはご用心。
総評
正直に言ってしまうと、成長や、安定のためにネガティブの力を向上させたり抑えるというよりはネガティブ感で遊ぶ物語といった感じです。ちょっと不謹慎かもしれませんが、小説だからこそ楽しめるとも言えるでしょう。
サスペンスなどは1度読んでもあとから犯人の行動や、謎だった部分を思い返したりしてもう1度読み返す楽しみもありますが、この本の場合はあくまで短編であり1回読んだらもうインパクトは薄れてしまう分、最初の1読に全ての全力を注ぐ本です。
読書が苦手な方にもおすすめできますが、心臓が弱い方には微妙におすすめできません。別に本開いたら大きな音が出るわけでもないですけど自分の心臓が跳ねるような衝撃はあるので。
この本を読んで楽しめた方は、ネガティブが必ずしも負の側面だけではないということがわかってもらえると思います。
他人の不幸は蜜の味とも言えますが、それもネガティブであり力にも毒にもなります。現実で楽しみすぎるのもよくありませんが、自分のことと置き換える訓練になるので、決して悪いことばかりでもありません。
お試しで読んでみてはいかがでしょうか?
余談
実は、この人が書く本の中にとんでもなくネガティブなパワーを秘めた本があり、近々紹介したいと思います。知っている方は知っているでしょう。
ヒントはあの楽園の話です。
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