ネガティブをフル活用する方法が書かれた本!怠惰、自殺、憎悪、病気、そして人生のむなしさ……この本を読めばその奥にある力が目覚めます!

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その他

こんな悩みを持っていませんか?

  • ネガティブを直したいorなんとかしたい
  • 劣等感を感じやすくて辛い。
  • 生きている意味がわからなくなる

そんな方にオススメです!

ネガティブも悪くないと思え、自由に生きる力を身につけることが出来ます!

※当ブログでは、作品の考えに合うものを、合わないものを、読むことによる利点になるものをで色分けしています。

最初に

皆さんは生きている意味とは何だと思いますか?

明確に答えられる人もいるかも知れませんが、大抵の人は悩み、自身に問い続ける問題といえるでしょう。仕事を生きがいにする、趣味を支えにする、家族や恋人の絆を生きる意味とする……様々な回答があり、正答は一つではありません。

しかし、中には生きる意味すら応えられなくなり、ただ人生が苦しくなってしまう人もやはりいます。様々なポジティブな言葉も届かず、あるいは聞き慣れてしまってどんどんわからなくなっていき、虚無感や自己嫌悪に襲われてしまう人も少なくありません。生きる意味というものを考えてしまうだけで、ネガティブになってしまうという人は決して少なくないでしょう。

そんなネガティブな人だからこそ、よりネガティブな目線で生きる意味を探すことを試してみませんか?

『生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想』(著:大谷 崇)

※クリックすると販売ページに移動します。

どんな本?

ペシミストであるシオランの言葉を活用しながら、様々な人間のネガティブの中に潜む力を解説した本です。ペシミストとは厭世主義者、要は世の中を嫌い、命を嫌い、様々な言葉を人物たちの総称ですね。しかし、この本は確かにネガティブなものを扱っていますが、読んでていて気持ちが落ち込む本ではありません。

怠惰と疲労、自殺、憎悪と衰弱、文明と衰退、人生のむなしさ、病気と敗北、などなど、聞いているだけでげんなりしてきそうな言葉の数々ですが、この本を読んでいると誰も考えたことないような、でも翌々考えてみると当たり前のような不思議な力が備わっていることがわかってきます。

難しい部分もあり、厭世主義者らしいひねくれた解釈もありますが、実は無理に受け入れる必要がないと明確に示唆されている部分があります。なぜなら、シオラン自身が自分の言葉を全て実践できたわけではないということも書かれているからです(最もこの中途半端さが重要でもありますが)

読めば、世の中で飽きるほど聞いてきたポジティブさだけではなく、ネガティブ的な目線、さらにはもう一つの側面より、生きる意味を見つける助けになるでしょう。

おすすめポイント!!

シオランという人物について知ることが出来ます。

この本は最初にシオランの出で立ちについて書かれています。ただし、最後に読むことをおすすめします。

なぜなら、シオランの出で立ちは、ここから先のページを語る上で重要なペシミストとなった理由、そしてシオランの中途半端さについてじっくり書かれているのですが、最初から読んでしまうとただ、壮大な人生を送ったということで終わりかねません。しかし、飛ばして最後まで読んでみると、だんだんシトランの生い立ち、そしてたびたびあげられる中途半端さのほうが大きな意味を持っていくことになることがわかるのです。

本人の行動と言動はあまり一致していないですし、怠けろといったかと思えば、動かなければ敗北は味わえず、共感すらできないというような解釈もある困った人でもあります(ただし筆者の主張でもありますが)

さらには論理そのものにも矛盾が多い部分もあります。しかし、一方でだからこそ、妙な親しみが湧いたり、浮世離れした人というよりは近所のちょっと変わってるけど面白い学者という印象を受けました。

そして、シトランを通じてペシミストという存在が世に害をもたらす存在だけではないことがわかるのです。

ネガティブな感情は意外と世の中で使われていることがわかります。

そもそもネガティブが本当にただ嫌われるだけのものなら人々は徹底的に排除するように動くでしょう。もちろん、感情のことなので制御できない部分はあると思いますが、それでも怠惰も自殺も憎悪も衰退もむなしさも人々は時に喜んで扱おうとするのです。

なぜかを簡潔にまとめると、全て有益性を秘めているからです怠惰は善に、自殺とむなしさは自由に、憎悪は力に、病気は自覚に敗北は絆へと繋がっていくのです。言われるだけでは信じられないかもしれませんが、この本を読めば意味がわかります。あなたが信じてきた悪い感情の常識を壊すと言ってもいいでしょう。

逆にポジティブの中にあるネガティブ、例えば、成功や勝利、しまいにはただの行動のようなポジティブなものもネガティブとして否定されます。

荒唐無稽ながらも私のようなネガティブな人間には救いをもたら言葉に聞こえてくるのが不思議です。

ちなみに、私自身は「全てをネガティブにしろ」というわけでも「ネガティブ的感情をもっと強めろ」と言っているわけではありません。ネガティブの中にある魅力に無意識に惹かれてしまうのではなく、自覚しつつ、適度に距離感を調整することで力にしてほしいのです。

例えば、自殺など、すべての人が目を背け、一方で、どうしても時々起きてしまうものについてはただ、「自殺は良くない」と考えるではなくなぜ、「人が自殺してしまうのか」「なぜ死に惹かれてしまうのか」と、少しネガティブを受け入れる考えを持つことでむしろ自殺を遠ざけることができるようになるのです。

「結局生きる理由って何か?」答えの一つを知ることが出来ます。

さてさて、タイトルの答えが気になっている方も多いと思います。最後の章に書かれているのですが、ネタバレになるのであまり細かくは言えません(当ブログはネタバレ禁止です)

しかし、ヒントを3つだけ言います。

1つ目はやはり、生きる理由としてあげられるものも、ネガティブなようでポジティブの要素が含まれているということです。むしろこの要素を理解するために、怠惰、自殺、憎悪などのネガティブさの裏にあるポジティブな魅力を紹介したと行っても過言ではないかもしれません。

もう一つはペシミストの、というよりはシオランの存在そのものですね。ここまで色々語りますが、当書籍でも度々挙げられていますが、あまり自分の理論を実践できていません。怠惰らしいかというとそうでもなく、実際に自殺を推奨していたわけでもありません。

何より、恋人作って割と楽しそうにしているなどと言う部分が挙げられます。

これはシオランが愚かとか弱いという意味ではなく、最終的なペシミストが陥りがちな結論みたいです。彼は生を忌み嫌いながらも、84歳という高齢まで長く生き延びました。生きる意味がなければここまで生きようとは思えないでしょう(最も彼自身の生きる意味とこの本が出した答えは別の答えでしたが)

最後にもう一つ、最大のヒントです。薄々感づいている方もいらっしゃると思いますが、当初で挙げられる「生きる意味」とは、そんなに立派物ではないですが、

生きてさえいれば、誰でも言えることでした。

生や死、能力や努力、ポジティブ、ネガティブを超えた先にある一つの概念であり、そしてシオランが中途半端であったがために意図せずに生み出した概念でもあるのです。

興味がある方はぜひ読んで答えを見つけてみてください。もしかしたら、生きる意味を見つけるだけではなく、より「生きること」を掘り下げるためにあなたもペシミストになりたくなるかもしれませんね。

ちょこっとダメ出し

やや全体的に難解であり、たまに論理が飛躍しているような部分もありました。無理に一つ一つ意味を知ろうとするよりはシオランという人物を少しずつ知りながら、後から理解していく読み方をおすすめします。

終わりに

今まで見た本の中で一番、ネガティブを力にする方法が書いてあった本でした。その分、難解ですが、じっくり読み解いていけばネガティブな強さを得ることも、ネガティブに陥りすぎないようにすることもできるでしょう。

同時にペシミストという言葉に興味がわきました。もちろん、人との交流に厭世主義をあまり口に出すのは良くないですが、シトロンの中途半端さはむしろ厭世主義をほどよく活用するのにちょうどいいといえたかもしれません。今後も厭世主義者の面白い本を見つけたら紹介していこうと思います。

何よりやはり、この本は、ポジティブになれない人、あるいはポジティブに飽き飽きしている人におすすめしたいです。

そして『生まれてきたことが苦しいあなたに』私から一言。

苦しみを消すことは出来ませんが、意味を持たせることならできます。そしてその意味がそのまま生きる意味となるのです。

この本を読めばきっと信じられるでしょう。


オススメ関連本!

『死にたくなったら電話して』著 李龍徳

ある意味、死という最大のネガティブを活用した(しすぎた)?二人の物語です。

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