オケ老人 予告
公式サイト様の動画より https://www.phantom-film.com/oke-rojin/
こんな悩みを抱えていませんか?
- 笑えて泣ける映画がみたいなあ……
- 老いるのが不安でしょうがない
- 成長するには若いうちに苦しんで頑張らないと駄目だよね……
そんな方はぜひどうぞ!!
成長することと楽しむことは別物だと思っていませんか?
※当ブログでは、作品の考えに合うものを青、合わないものを赤、読むことによる利点になるものを緑で色分けしています。
最初に
皆さんは趣味などは何を嗜んでいますか?
私はこんなブログをするぐらいですから、読書や映画はもちろんですが、他には、ゲームをやったりジョギングなどをしています。
まあ、なぜ好きかというと、他の人と比べなくてすむからという部分が多いです。
読書や映画は100人いたら100人の感想の違いが出ますし、ゲームは誰かの対戦しない限り、一人で楽しめます。ジョギングもただ走るのが気持ちいいからという理由ですね。
しかし、趣味の中には、どうしても人と比べてしまうものも多くあります。スポーツ、芸術、そしてこういったブログなどもそうですね。
誰もが才能や能力を持っていない以上、いつかは上達の方向性がわからなくなってしまい、技術や能力で止まってしまいます。
そして自分自身が才能を持っていないことに思い悩み、そして成長という概念そのものにネガティブな印象を抱いてしまうことすらあるのです。
でも、「上達しないから」「誰かより劣っているから」と言って成長ができなくなるわけではありません。
教えてくれた映画が今回の映画です!
『オケ老人!』(監督: 星川徹)
どんな映画?
ひょんなことから、老人だらけのオーケストラに入った主人公が、プロのオーケストラとの間で自分の努力、成長、そして「楽しむということ」について悩みながら、老人に教えたり、教えられたりするコメディ映画です。
笑いと感動、何よりも楽しさがある映画でした。
最初は老人たちの若干自由過ぎる行動や、突拍子もない言動にイラッとすることもありますが、最終的にそんないらだちすらユーモアに変わっていきます。
何より、主人公の才能と努力に対する葛藤や、「楽しむ」ということを忘れてしまうというシーンは、共感を覚える人は多いのではないでしょうか?
この映画を見れば成長に関するネガティブな感情は消え、老いに関するポジティブな感情が芽生えるでしょう。
正直絶対タイトルは「ボケ老人」とかかっていると思います。言ったら怒られそうですけど
あらすじ
教師もしながらも趣味でバイオリンを嗜んでいる千鶴は、梅ヒルと呼ばれるオーケストラ団に感動して、「ぜひ入団させてほしい」と頼み込みました。
しかし、勘違いから、梅ヶ丘という老人だらけのオーケストラに入ってしまいます。腕前はひどい人たちばかりですぐにでも抜けようとしました。
しかしトントン拍子で話が進んでしまい、押しが弱くお人好しの性格から、最終的には常に指揮者をやることになってしまいます。
そして一方で、入りたかったオーケストラ、梅ヒルには、千鶴自身の情熱を買われて参加することになり二足のわらじを履くことになりました。
超絶プロの集団と、ド素人の老人集団の間で彼女が教わることとは……
おすすめポイント
老人だからこそ知っているものは多い。それは知識だけではないということを改めて教えられました。
老いのネガティブを消し飛ばせます。
演奏中にパンを食べたり、雑談を始めたり、終わってからの飲み会のことしか考えていないような老人たちで、せっかくオーケストラに参加した(というかほぼ引き込んだ?)千鶴のこともそう簡単には手放そうとはしません。
千鶴の方はもちろんやめようと何度でも決意しますが、搦手を使われるわ、情で流してくるわ、強引に落とし込めるような老人の強かさ、そして情熱の強さに、野々村が退院するまでという条件で続けることになりました。
しかし、続けていく内に、老人たちへただがむしゃらに指導するだけではない教え方を知ったり、彼らなりの音楽に対する向き合い方を知る中で、次第に指揮者をすることを楽しんでいくようになります。
老人たちもまた、千鶴が迷ったときや、自信をなくしている時にここぞとばかり優しく励まし、彼女の存在が自分たちの中でどれだけ大きいかを語るのです。
様々な面で、老人の強さを感じられた映画でした。
後半になってくると自由過ぎるユーモアさや千鶴の老人たちへの印象も様々な形のものに変わっていきます。見ているあなたが明確に彼らの印象が変わったという証拠であり、そして老いに対する恐怖を(一時的だったとしても)消した瞬間でもあるのです。
楽しみながらやるか、上を見ながらやるかは同じかどうか?
とにかくプロ中のプロたちが集まり、徹底的に演奏の向上を目指す梅ヒルと素人レベルで演奏も自由に行い、とにかく楽しければ良いという考えの梅ヶ丘は、色々な意味で対照的です。
どちらも不正解ということはないはずなのですが、やはり世間的には常に高みを目指す、すなわち”成長”という部分が尊重されているのも事実です。
しかし、成長するというのはただ”上手い”ということだけではありません。
老人たちはたしかに最初はめちゃくちゃで、見ていてイラッとすることも多いですが、千鶴の影響を受け、そして自分たちのスタンスを残しつつも崩すことなく、成長を楽しむという感覚を思い出します。
そう、本来は楽しむということも、成長するということは本来同じになりうるはずなのです。
千鶴と老人たち、二つの存在が教わり、教わったもの、楽しむということと成長するということは決して相容れないものではないということは、今度は見ているこちらが教えられることになります。
遊びでも成長につながり、楽しむことが出来た子供だったときの同じように、大人であっても老人であっても、成長を楽しめれば、いくらだって成長できるということを教えられました。
老いとできること、若さでできないこと
老いてから後悔することは非常に多いらしく、その後悔は若者に老いへのネガティブと恐怖を与えます。
「○○をしておけばよかった」「○○をするんじゃなかった」という声は確かによく聴きますね。
しかし、決してもうできないことばかりではありません。むしろ老いてからできることに気づくこともあります。
作中でこんなセリフがあります。
「昔の私達は本当に楽器もなにもないからできなかった。でもあなたは楽器もあって演奏もできるのに、できないというのはなぜだろうか?」(意訳)
もちろん、世の中には心理的に、トラウマという形で好きなことができなくなる、あるいはそもそも好きではなくなるということがあります。
しかし、もしまだ何かが好きならば、誰かの目を気にしたり、自分の情けなさを感じる必要なんてありません。
「ただ楽しいからやる」
老人たちにとってはそれだけだったのでしょう。
一方で老人たち側もまた、千鶴の一生懸命さにつられ、成長する楽しみを思い出します。
そして目標が加わります。
「より楽しむためにやる」
プロよりも技術は上手いとは決して言えませんが、老人たちはやがてプロですらできない自由さと、そして楽しさを持って、あらゆる感動、そして可能性を作り上げていくのです。
ぜひ、どういうものなのかは映画を見てほしいのですが、一つだけ言えることは
「何歳になっても人は思っているより色々な成長の可能性を持っている」
ということですね。
うまくやることは才能が必要ですが、うまく楽しむことは工夫次第でいくらでもできるのですから。
ちょこっとダメ出し
現実的に言うと、仮にもプロがそれでいいのか、と言いたくなるような描写があるので、受けない人には受けない映画ですね。
最後に
老いという避けられないネガティブと才能の格差という残酷なネガティブさを吹き飛ばし、成長という言葉の広さを教えてくれた映画でした。
人は無意識に成長と聞くと能力の向上、あるいは効率性の重視などを考えてしまいますが、趣味をより楽しめていけるというのも立派な成長です。そして楽しむということは何歳からでも、いつからでも始められます。
つまりは、何歳からでも成長はできるということですね。
皆さんも是非、この映画を見て、他人と比べてしまったり、いつまでたっても技術的に成長できないという理由で、離れてしまった趣味がありましたら、もう一度向き直ってみるのも良いでしょう。
もしかしたら、老人たちのように、より楽しいやり方を見つけられるかもしれません。
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