お勧めできる人
- 心を強くする方法を知りたい人
- 天才の弱点を知りたい人
- どうせ自分なんて……と考えてしまう人
努力(2回目)
やはり、この言葉は人を魅了してやまないものでもあります。
前回の記事ではやや否定的に書きましたが、それでも常に成長し続けたり、新しいものを発見するには欠かせない力なのは間違いありません。
しかし努力を続けるのは厳しいものです。失敗や挫折も何度もあり、劣等感にさいなまれ、先の見えないゴールに悩み続けて、結局、何もしないほうが良かったと思ってしまうとすら考えてしまいます。
努力をしない方向に考えるのも立派な方法です。
それでも努力すること、そしてその先にあるものをあきらめたくない人へ。
今回の本は、そんな人への応援本です。
どうやったら努力を続けられるようになれるのか、挫折や劣等感に負けない力を得られるのか、そのヒントが書かれている本です。
著 キャロル・S・ドゥエック 訳 今西康子
ただ、実はこの本を紹介するかどうか迷いました。というのも、あまりにもポジティブに内容が寄りすぎていて、このサイトの趣旨にそぐわないのではないかと思ったからです。
ただし、この本の中にとある1文より、紹介することを決めました。
「マインドセットがしなやかならば、必ずしも自信は必要ない」
p73 第二章
マインドセットについてはすぐ紹介いたしますが、「自信」というのはとても強いポジティブな力であり、この力は持っている人は心をすごく強くする一方、持つことができない周りの人をすごく弱くする性質もあります。
あなたも周りの人が自信を持っているのを見たら、自分が弱くなったような錯覚を覚えたりしませんか?
動きたいけど周りの人ほど自信が持てない……。そんなネガティブ思考の人でも力を発揮するためにお勧めできると確信し、この本を紹介するに至りました。
ただ本でも書いてあるのですが、全て努力でどうにかなるなんてことはありません。あくまで変えられる部分を動かすことを目標に読んでください。
マインドセットとその違いによる成功と失敗を紹介
この本は直説的には努力について語っている本ではなく、才能と努力に関する二つの考え方について対立させていている本と言えるでしょう。
考え方、この本では引用させていただいた文のなかにもありますが、マインドセットと呼ばれています。
能力は人によって生まれた時から確立されていてもう変わらないと思っている硬直型マインドセット、能力は努力次第でいくらでも伸ばしていると考えるしなやかマインドセットとあります。
硬直型マインドセットの人は何よりも成功を重要視し、しなやかマインドセットは成長を重要視するとします。
例をあげるなら、負けたら一生の終わりと考える方は硬直型マインドセット、負けをも利用して少しずつ改善していくと考えている方はしなやかマインドセットと考えるとわかりやすいです。
この本ではしなやかマインドセットだとどういう面で有利になるのかを最初にまとめ、後に具体例をあげています。著者の主張を理解したいのならば1章から3章だけ読むだけでも良いのですが、誰にもが抱える問題点が次の章から始まっていきます。
各分野について幅広く網羅
スポーツ、ビジネス、結婚などの対人関係、教育など、いろいろな人が抱えている問題について硬直型、柔軟型がどう動いて、どういう結果になったのかが書かれています。
硬直型の人はどう考えてしまうのか、しなやか型の人はどう考えて行動したのかを分野ごとに解説していきます。
良く知っている人の意外な一面や、全く知らない方の戦略なども知りながら、二つの考え方の違いを理解していくことができるでしょう。
特に対人関係についてはお勧めですね。私も対人関係に関する能力は著しく低く、どうにもならないと硬直していた部分も多いので少しだけしなやかになりました。
スポーツなどは、人を分析する練習、その他はまさに今自分が抱えている悩みを解決する手助けにもなりますので、興味がある章から読んでみることをお勧めいたします。
「変わる」ために「変わる」
一番重要な努力は「変わる」ということですね。
本書では、具体例を7章ぐらいまで紹介した後、8章で変わる方法について記述しあります
硬直型マインドセットをしなやかにすることが本書の目標の一つですが、そもそも硬直型の性質が「変わらなくてもいい、今の自分は完成しているから」なので、根本から変えないといけません。
そして根本から考えを変え、何か物事にぶつかったときでも何度でも解決のため、考え方を変えられる人間を目指していきます。
つまり「変わる」ために「変わる」章と言えるでしょう。
MINDSETが本書のタイトルですが、最後は硬直型からしなやか派を目指してほしいという著者のメッセージからもわかる通り、「変わる」ということがもう一つのテーマです。
総評
結局すべては未完成と考えるのが一番成長につながるということを学んだ本でした。自分に対しても他人に対しても未完成と考えることで自分に取り込んでいくことが大切ですね。
例えば、悔しさをバネにするという言葉がありますが、必ずしもそうしないと成長しないのではなく、人からケチョンケチョンに何かを言われたら……。
このように人の批評を細かく(?)刻んで
食べられる自分の欠点を見つけ次第食べつくしていくイメージですね。(材料と料理違うじゃんと言わないでください)こうして自身の栄養としていくっていうイメージが大切と考えました。
当記事はいつもより全体の趣旨に入り込みすぎましたが、3章から7章に書いてある、しなやかマインドセットの人は実際どのように行動しているかを知るだけで、自分が同じような危機に陥った時の参考になります。
これは補足であり余談でもあるのですが
「大体は~~のせいだ」と他人のせいにしてしまうことも硬直型の性質の一つとしてこの本でとらえられていますが、ただ安直に「人のせいにしてはいけない」と考えるのはそれはそれで硬直していると思います。
正しいのは「人のせいにして、自分が硬直してはいけない」ですね。
逃げてもいいですし、反骨精神を持つのもかまいませんが、じっとして耐えていてもあまりいいことはありません。(よほど付き合ってないと達成できない目標があるのなら別ですが、その場合も別の方法がないか考えるのが大切です)
ちなみに悪口を言ったり、排他的に何とかしようとするのも結局は硬直しています。自分が変わろうとはしてないのですから。
どうやったら「自分が苦しくなくなるように自分を変えられるか」を考え続けるのが結局は答えなのかもしれません。硬直さえしてなかったら、それはネガティブでもポジティブでもいいはずです。
もっともこの答えに関しても私が出すのは難しいのでぜひ、皆様もしなやかなマインドセットとなり、私以上の答えを出してみてください。当ブログはネガティブ派もポジティブ派の意見も応援しております。
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