オススメできる人!!
- 喪黒福造が好きな方
- 交渉や営業などのテクニックについて知りたい方
- 人生の落とし穴に落ちない方法を知りたい方
最初に
引用:https://twitter.com/warau_new 「笑ゥせぇるすまんNEW」公式twitter様より
ドーーーン!!!!!
で強烈なインパクトを発し、多くの人にトラウマを与えた『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造を知っている方は多いのではないでしょうか?
念の為、『笑ゥせぇるすまん』についてざっくり説明いたしますと藤子不二雄氏によって描かれた漫画であり、人生において不満を抱えていたり悩みを持っている人間に対して喪黒福造が悩みをバッチリ解決するような道具、施設、手段などを紹介します。
ただし、紹介されたものには(さりげなく)何かしらの条件が加わっており、もし、この条件を破ってしまった場合は上記のドーン!!とともに恐ろしいことになります(命や人生に関わるおおきなものから割としょうもないものまで様々です)
心に突きつけられるような人の醜さ、そして決して他人事とは思えない心のスキマと闇について描かれた名作として知られています。原作が世に出たのはかなり昔ですが、少し前……というとやや古いですが、アニメ化するぐらいには現代でも人気ですね
さてさて、今回の本です。
そんな『笑うせぇるすまん』を様々な科学的な面から研究した本です。
原作の漫画のエピソードを紹介しつつ、科学的に分析、あるいは実際の研究内容を参考しながら、喪黒福造という人物の能力、戦略、そして恐ろしさを解説しつつ、どうして喪黒福造の闇に人は陥ってしまうのかを知ることができます。
純粋に娯楽としての読み物として読んでも面白いですし、ビジネス書としての活用も十分可能です。あるいは、古本屋等で『笑ゥせぇるすまん』を見かけた時の予習感覚で読んでみても良いでしょう。
さて、ドーン!!を受けないための訓練の始まりです!
この本のおすすめポイント!!
喪黒福造の意外な恐ろしさを知ることができます。
そもそも、皆さんは「喪黒福造」の恐ろしさはどこにあると思いますか?
人の欲望を刺激する数々の道具や設備を用意する力?約束を破った人を罰する力?
え、そもそも顔が怖い?
いけません!ドーンとされちゃいますよ?(お前が言うなと言った方、大正解です)
ともかく上記の理由も確かに恐ろしくしている要因ですが、『悪の脳科学』によると彼の一番の恐ろしさは
人の欲望への観察眼、そして人の懐へいとも簡単に入り込む能力です。
本来のセールスマンを思い浮かべていただいたらわかりやすいと思いますが、商品を売るというのは決して楽ではありません。商品の良さに関係なく、まず話を聞いてもらうこと、そして必要かどうかを判断してもらうことが非常に難しいからです。
喪黒福造はいとも簡単に登場人物(被害者)と気軽に会話をする中になり、そして必要な道具を用意します。罰するときはともかく、相手が使うかどうかは相手に任せているので強制的に使わせているわけではありません。
長くても十数ページの短編漫画ですから、話のご都合主義的な展開かと思いきや、作中に出てくる漫画のエピソードを解説を見ながら見返していると裏にはかなりの技術、戦略等を知ることができます。
当本だけでも十分に参考になりますが、次に、『笑ゥせぇるすまん』を読んだ時にはさらに「喪黒福造」の恐ろしさ、そして巧みな交渉術を観察する力を養うことができるでしょう。
悪の力を合理的に活用する力を学べます。
「悪の力」に対して受け身でしか対策取れないの?と聞きたい方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそも合理的に活用する方法も教えてくれます。
喪黒福造がどのように相手を支配し、そして相手を動かしているかを知ることでその手口を使うことができます。もちろん魅力的な道具や施設、ましてやドーン!!なんていりません。知識や習慣、あるいは人の習性を喪黒福造のエピソードを通じて知ることで誰かを支配する手段、あるいは誰かに支配されないような対抗策の両方を学べます。
「誰かを支配する」ということに抵抗があるのであれば、「自分を支配して」みてはどうでしょうか。
自分は最初から支配できている?いいえ、大体の人はできていません。できていたら、もう少し世の中から不平不満がなくなりますし、もっといえば、喪黒福造というキャラクターにこれほどまでに恐怖を抱くことはないのです。
ヒントとして、人を変えたいのならば必要なのは2つです。環境を変えるか、付き合う人を変えるか。
喪黒福造の力を借りたとは言え、環境を変えたことで自分を変えたエピソードなども紹介されており、自分の力を自分で増す手段についても十分参考になると思います。(もちろんやりすぎは禁物ですが)
Nテーマ人の【弱さ】について知れます。
さてNテーマです。
今回はわかりやすく「弱さ」としてみました。まあ人間に弱いところがあるなんて今更の話ですが、弱さへの向き合い方は人それぞれです。
「とにかく弱さを鍛えて逆に強さにする」「決して見ないようにする」「誰かに補ってもらう」といったものがあげられるでしょう。
ただ、残念なことですが……結局どうしても弱さはなくなりません。弱さは形を変えるだけです。
例えば鍛えた分だけ他のことがおざなりになり弱くなる部分は出ます。
見ないようにしていたとしても、弱点がなくなるわけではありません。
誰かに補ってもらった場合、誰かが裏切られるという弱さを背負うことになります。
そして形を変えた時に自分が自覚していない部分が心のスキマになり、喪黒福造に狙われることになります。
『悪の脳科学』そして、『笑ゥせぇるすまん』のエピソードで出てくる方たちは決してただのダメ人間、あるいは社会不適合者と呼ばれる人たちだけではなく、それなりの人格者達だったりあるいは成功者であることも多いです。
人生面で強者と呼ばれる人たちでも、いえ強者と呼ばれる人たちだからこそ、強さを犠牲にした弱さが生まれ、そして喪黒福造に、あるいは現実世界で隙を狙う人たちにつけこまれてしまうわけです。
大切なのは自分を知り、弱さを自覚し、弱さを弱さのまま強さに変える考えを持つことです。わずかですが、この本にもそのためのヒントが書かれていました。ぜひ探してみてください。
ちょこっとダメ出し
ちょっと文章中で「そんな人はいない」(ネタバレ禁止なので言えません)とキッパリ切り捨てているような場面がありました。私は何度か「そういう人」を見たことがあるので、偏見がちょっと強いのは否めませんでした。
最後に
喪黒福造ファンとしては十分におすすめできる本ですし、人生の本音やちょっとした闇を知りたいという人に対してもおすすめできる本です。
次に『笑ゥせぇるすまん』を読むときには、ついつい喪黒福造の用意した道具や環境よりも、彼の行動を観察してしまうかも知れません。
確かに、喪黒福造は完全に見習うべき人物か?と言われたらもちろん違います。しかし、どんな立派な人間にも反面教師にする部分な貼りますしどんなダメ人間でも見習うべきところはある……と考えれば彼の狡猾なやり口も参考にできる部分あるのではないでしょうか?
喪黒福造に恐ろしさを抱く人ほど、読んでほしい本でした。
ちなみに、漫画をただの娯楽と思う人々も多いですが、楽しみながら何かを学べるというのはやはり漫画の一つの側面であり強みと言えるでしょう。
そしてこういった漫画をもとにした分析本も一度読んでみていただけると、漫画の可能性についても知ることができると思います。これからも見つけたら紹介していきたいと思います。
さて、これからもドーン!!を受けないように気をつけていきましょう!
余談
いつか、『笑ゥせぇるすまん』の漫画の方も紹介したいなと思いますが、なかなか難しい部分があるんですよね……。というのも今回の本で紹介した文のほとんど踏襲、あるいは劣化となってしまう可能性が強いので。
しかし、良い紹介文を書くことができたら紹介させていただこうと思います。
あと、作中で、もし喪黒福造が黒いセールスマンではなく白いセールスマンだったらという話題がよくあがりますが、実は、そんな救済キャラ的な人物の漫画も藤子不二雄は書いています。
その名も「喪黒福造」の弟である「喪黒福二郎」です。非常に数は少ないですが、ちらほら漫画があるので良かったら探してみてください。
関連記事
カイジ「命より重い!」お金の話 著 木暮太一
同じく漫画を題材にして、研究した本です。もっともこちらは反面教師にする側面が強いですが……
喪黒福造にあったらほいほい流されてしまいそう……という方へ
マンガ版「言い返す技術」 著ゆうきゆう 漫画 jam
喪黒福造をチョコットぐらいなら怯ませられるかも知れません。その後は逃げましょう。
コメント