お勧めできる人
- 当時のアメリカの金融危機について知りたい人
- 重大な局面をうまくすり抜けた人を参考にしたい人
- ネガティブにとにかく負のイメージを抱いている人
皆さん、ポジティブと聞いていいイメージを思い浮かべる人も多いでしょう。
何があってもポジティブに、常に現状を前向きにとらえて進み続ける。学校で美徳されていることも多いと思います。
しかし、一方でポジティブにとらえることを言い換えれば悪い方向に考えないということでもあります。
悪い方向でもポジティブに考えるということもありますが、果たして最悪の未来を前にしてもそれができるでしょうか?
今回はネガティブな考えを持つことにより、まさに災いを転じて福をなした人たちのドキュメンタリー映画を紹介します。
ちなみに、基本的にはこのブログはネタバレはしないのですが、あまりにも有名すぎるアメリカバブルのお話かつ、タイトルである程度先が見えているので少しだけ深く内容についてお話しします。
マネー・ショート 華麗なる大逆転
アメリカのバブルにいち早く気づき、当時の人たちから馬鹿にされても自分の考えと意思を貫いた4人(5人?)の物語です。
金融関係についての知識はやや難解ですが、料理やギャンブルにとらえてコミカルに教えてくれるシーンもあります。(例:CDOって何?→債務担保証券のこと→債務担保証券って何?→古くて仕えなさそうなものをまとめて新しくすること→よくわからない→要は古い食材もまとめてシチューにしちゃえば客はわからないだろってこと)
※世の中全ての料理店がこうだと言っているわけではないので誤解しないでください。
とはいえ、日本人から考えると難しいシーンも多いので、わからない言葉が出てきたらメモして調べなおし、もう一度見返すと、違った面白さがあるかもしれません。
あくまでこのブログの趣旨の目線で言うと良いポジティブ、悪いネガティブがあるということを教えてくれる作品の一つだと思います。
ただ……。近年流行りのスカッとする話ではないです。どちらかというとちょっと憂鬱になる話かもしれません。
4人の人物
眼の障害を抱えつつ、圧倒的な観察眼と思考力を持つマイケル
強すぎる正義感のあまり、短期で怒りっぽいヘッドファンジマネージャー(ざっくり言えば顧客からお金をあずかり資産運用して増やし、手数料を稼ぐ職業)のマーク
たまたま上のマークとのやり取りを見て、何かを感じた二人の青年、ジェイミーとチャーリー
そして、かつて凄腕と言われ、ジェイミーとチャリーに助けを求められた元銀行家ベン
物語の解説役となる銀行家のベネット。(5人?には含まれませんが大きく影響します)
彼らが今回の物語の主軸です
主役がめまぐるしく切り替わるので、ちょっと登場人物の周りの人間を把握するのが難しいかもしれません(その部分も含めて2度見るのがお勧めの映画ですが)
さらに言えば登場人物がこの映画の後どうなったのかを知った後に見るとより色々な考えが浮かびやすくなるでしょう。
それこそ、劣等感を力にするのにも、劣等感を消すのにも役立つ話があります。
ドキュメンタリーらしい利点が強い
バブルについてですが、よくわからなくても映画が始まってすぐに解説が数分で始まりそれから物語が始まります。
大きな流れは最初の5分さえ見ておけば把握はできます。(ざっくり言えば、アメリカが金融危機を迎えるまでの話です。)
登場人物たちの過去や現在の状況などを少しだけ説明した後、現在の異常な好景気に対する違和感に気づき、動き出すお話です。
彼らが本当に特別なことをしたかと言われると実際はそこまでではありません。確かに仮定を誰かから与えられ、そこから地道な調査を繰り返し、ついに真実にたどり着きます。(もっとも真実にたどり着いたとしてもどう動くかはまた別の問題ですが)
先がわかるという有名な史実を基にしたドキュメンタリーだからこそ楽しめる部分でもあります。
本当の勝利とは?
彼らは確かに周囲の嘲りや冷笑に耐えつつ、世界を先に見て、お金を大きく稼ぐことができました。
しかし、その勝利に対する反応は様々です。
特に一人で勝利をするよりも、世界や著名人などに必死で危機を語り、一人でも多くの人を救おうとする人すらいました。
少なくとも、彼らは間違いなく”逆転”はしました。しかし、”勝利”したかと言われるとややわからないところです。
これはバブル以外でも言えることですね。
多くの人を出し抜いて少数派の勝ち組になることが勝利なのか。
多くの人を救ってすべての人と同じように笑うことが勝利なのか。
私は善悪論は好きではありませんので、その討論をするつもりはありません。
しかし、目標としてどちらへ行きたいのかは考えておいて損はないと思います。勝ち組と呼ばれることがどれだけの犠牲をはらうのか、あるいは犠牲を払わずに勝ち組になる方法はないのか。このサイトでは今後もその答えを探し続けていきたいと思います。
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